東大寺二月堂の修二会お水取りのお松明の火の粉を浴びてきた 〜前編〜
「 まだお水取りが終わってないので寒いね。終わったら春だね。」
これは奈良県民の間では日常会話の定番のやり取り。修二会(お水取り)は別に人々に春を告げる為に行われているものではなくて、ざっくり言えば実は万人の幸福を願うために行われている。燃える松明を使う有名な光景は実はほんの一部。この期間中、中では他にも様々な神事が行われている。なんといってもこの行事は1250年以上も毎年続いているというのが凄い。
お水取り|修二会|年中行事|華厳宗大本山 東大寺 公式ホームページ
二月堂は東大寺大仏殿から若草山の方へ少し歩いたところにある。眺めのいい場所だ。若草山に行く途中では毎回素通りする場所だが、修二会の期間中は夜だけでなく朝に何度か足を運んだ。
こういう場所。
石段。松明がセットされている。
ここを松明をもってダダダと走り抜ける。
お堂から下を眺める。この夜は芝生に人がぎっしり。
欄干の木の隙間に夜の名残がある。真っ白に燃え尽きている。
北茶所ではこのようにお松明の燃え差しが置いてある。わりと人気で次々と人がやってきて持って帰っていた。この茶所、中の雰囲気がとても良い。かなり古いが現役の釜が置いてあり、燃える薪が濛々と煤煙を上げていたのが印象的。ここでも動画なり写真なり撮ったら良かったな。
二月堂の欄干にはこんな凹みがある。この凹みにお松明をのせて安定させるのだろう。
松明を造っている光景は朝にいくと見ることができる。
これは籠松明。↑の松明とは大きさも作りもぜんぜん違う。
明るい場所でみると松明は本当に長い。そしてこの竹は京都の京田辺の観音寺から来たもの。私が部活動で走らされていた道の近くにあるお寺だ。その頃は竹が有名な地域とは知っていたものの、奈良とそんな縁があるとは知らなかったな。
雲のように浮かぶ平城宮跡の荻の穂
「秋晴れに 枯れた荻の穂 雲のよう」
私の身長より遙かに背高く枯れていて、雲一つないの真っ青な秋晴れの空にまるで雲のようにふんわりと浮かんでいた。まあこの背景方向だけ雲ひとつなく真っ青だったという話で山の方には雲がありましたが(笑)
この荻って数年前までは平城宮跡でもっとたくさん群生して生えていたのだけど、草刈りされたり、工事で減っちゃった。とても寂しい。 イベント会場や観光地として手入れしたいのはわかるけど、昔から保全されてきた自然環境も大切なのではと思う。もったいないなあ。