みじんこブログ

人間を含めた生き物の話を中心に。YouTubeに動画投稿もしています(ました)。

カラスアゲハの蛹から寄生蝿のウジを取り出す様子を動画で撮影してみた

今回拾ってきたカラスアゲハやクロアゲハは無事に蛹になったものの、残念ながら寄生されていた。寄生はよくあることなので仕方がない。そしてカラスアゲハの蛹から出てきた寄生蝿の数が15頭+1頭の計16頭と今までの経験の中で一番多くて印象的だった。

 

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この写真を撮った時には寄生蝿は既に茶色になっていた。最初に発見した時はまだ白い状態で這っていて、出てきて間もないようだった。

 

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このカラスアゲハの蛹は脱いだ幼虫時代の皮を尻尾につけたままで壁と尻の接着がうまくいかず宙吊りぽくなっていた。そこで幼虫時代の皮を取り除き尻の先端を本来の場所につけた。この時に既に蛹の一部が黒ずみ初めていて、蛹化から時間が経っているのに蛹が若干柔らかく感じて気になっていた。

 

同じ寄生でも、アゲハヒメバチの場合は硬くなった蛹の殻に綺麗に丸い穴を開けて出てくるので、どこから出てきたのか分かりやすい。寄生蝿の場合は蛹の腹の節になってるあたりから出てくるようだけど、一目見た感じでは穴が開いていないように見える。蛹が固まらずフニャフニャのままなので、穴を開けてもすぐ閉じてしまい目立たないのだろう。

 

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羽化の時にパカっと開く部分にナイフを入れ開いてみると、中はまだドロドロのままだった。気門の部分は外から見ても黒く変色していたけれど、中にも黒くて柔らかい何かが入っていた。気門の内部構造なのだろうか。正常な蛹を開いたことがないのでそれはよくわからない。

 

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そして、このドロドロの中に他の仲間と比べて一人だけ遅刻してる要領の悪そうなウジがまだ泳いでいた。まだ残っているのがいるとは思っていなかったので、見つけた時はちょっとびっくりした。このカラスアゲハは15頭+1頭も合計16頭に寄生されながら、よく蛹になるまで頑張ったと思う。

 

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これが撮影した動画。 

 

ちなみにこのウジはピンセットでつまみ出して先っちょを潰した後、うちのアオマルメヤモリに処理してもらった。蛹化したウジも柔らかいのを与えると、噛み潰して体液をこぼしながら飲み込んでいた。喜んでもらえたかな。

 

 

寄生蟲図鑑 ふしぎな世界の住人たち (飛鳥新社ポピュラーサイエンス)

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