みじんこブログ

人間を含めた生き物の話を中心に。YouTubeに動画投稿もしています(ました)。

飛べないカラスアゲハに蜂蜜水を与える動画を作ってみた

たくさんアゲハチョウの幼虫を育てて、そいつらがたくさんの蛹になって、そいつらがたくさん羽化して羽ばたいていった。


卵から成虫になる確率が1%程度といわれている自然界とは違い飼育環境下ではほとんどの幼虫が成虫になる。でも…、悲しいことに脱皮、蛹化、羽化、この各段階ごとに失敗する奴がでてきてしまう。寄生昆虫にやられてしまい、蛹から出てくるのが蝶ではなくウジやハチだったりすることも…。全員が完全な蝶になれるわけではない。


蜂蜜水を飲むカラスアゲハ(Papilio bianor drinking honey-water) ニコニコ動画版も下の方にあります。



今回の動画のカラスアゲハは蛹から成虫になることまでは成功したものの、何らかの理由で翅がうまく伸びずに飛ぶことができなくなってしまった。見かけの翅は綺麗に見えるけど、羽ばたきも弱く上昇せず滑空みたいな形で地面に落ちてしまう。実は蛹から出てくるところを観察していたので、こいつが蛹の殻を割って出てきた時に他の奴と何かが違うと気付いた。普通は蛹から出るとすぐに足場を探し、安定したところで体液を縮んだ翅に送り込んでぐんぐん伸ばし始める。でもこいつの場合は足場をガッチリ掴んでいたものの翅がなかなか伸びずに苦労している。その挙句に落ち着かない動きになってふらふらした後に足場から下にポトリと落ちてしまった…。その様子を見た後に直ぐに割り箸を掴ませてレスキューしたものの結局はうまくいかず。


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すぐに誰かの食事になってしまうことを承知で本来のいるべき場所である外に放してやるか、それとも人間の管理下の狭い環境で少しでも長く飼育するか。この二つで迷いましたが結局は飼育することにしました。ネットのブログや掲示板をみると同じ状況の方もやはりたくさんいて、皆さんそれぞれに結論を出してらっしゃるみたいですね。


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飼育方法についてですが、まずケースについて。100均の洗濯物を入れるネットを飼育ケースとして使いました。一般的な洗濯時に使うものではなくて脱水した洗濯物を運ぶのに使うものなのでしょうか、袋を開けて封印をとくとドラゴンボールのカプセルのようにボインって感じでワイヤーが広がるタイプです。これなら洗濯ネットを広げたり枠を入れる手間がないのでいいですね。キャンドゥに置いてありましたが他の100均にもあるかどうかは不明です。


次に餌について。食事は最初はティッシュに染みこませた蜂蜜水を与えていました。その後は人の手でこの動画のようにダイソーのコスメ用の注射器を使って口吻に直接与えていました。まだ飲みたいときはごくごく飲むんですが、いらなくなったら手から離れるので与える量も分かりやすかったです。ティッシュの蜂蜜水はちゃんと飲んだかどうか、水分が蒸散し濃度はどうかなど気になってしまうのでこちらのほうがいいかしれません。蜂蜜や砂糖の濃度は高いと気管に詰まって死んでしまうらしいので。因みにこの蜂蜜水は10倍に薄めてあります。人が舐めて「ん?甘いかな?」程度ですね。餌を与える前やその後は部屋の中ですが少しの間自由行動ができるようにしてあげていました。


この飼育方法で2週間ほど生きてくれました。飼育環境下での寿命でこれが長いのか短いかはよくわかりません。標準的な成虫の寿命ではあるようですが。アゲハの飼育は今年限りではないだろうし、今回はいい経験をさせてもらったと思っています。


蜂蜜水を飲むカラスアゲハ(Papilio bianor drinking honey-water) Youtube版も上にあります。