みじんこブログ

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桜の葉裏にびっしりと集うアカホシテントウについて

堤防の桜並木の道を歩いていたると桜の葉裏に黒い何かがびっしりと付いているのを見かけた。この樹一本だけではなくて堤防の桜のかなりの本数がこの状態。

 

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近くに寄って写真を撮るとこの状態。姿形からわかるようにてんとう虫だった。これはアカホシテントウというテントウ虫らしく、この独特の赤い色は翅鞘の表面での発色ではなく中から滲んでるように見えて瑞々しく美しかった。

 

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そして桜の枝にもナメック星にありそうな造形の何かがびっしりとついていた。ほんとうにびっしりと。オナモミの実にも似てるかな。

 

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これは実はアカホシテントウの蛹の殻。このように蛹になる時に同じ場所で集団で蛹になるという性質の理由はよくわかってないらしい。トゲトゲで固まれば防御に有利なのだろうか。その方向で進化していくとオナモミに似た姿に行き着いたのかな?と思ったけど、オナモミは動物にくっついて運んでもらうために刺があるらしいから違うか。でもなんかそっくり。

 

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よく見ると割れていて二重の構造になっているようにみえる。外のトゲトゲの殻は幼虫自体の姿そのままで、一方で中の殻は他のてんとう虫の蛹の殻ととても良く似ている。蛹化するときに幼虫時代の皮を脱ぎ捨てるのではなく、蛹時代も保護目的で幼虫時代の皮をそのまま利用しているのだろう。とても賢い。

 

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他にもこんなものが枝についていた。タマカイガラムシと思われるイボ状のもので、これがアカホシテントウの幼虫と成虫の餌となる。小さな穴が開いているのはそこから食べられた跡だろうか。

 

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しかし同じ場所でみんなでじっとしているのは何故だろうという疑問が湧いてくる。羽化したばかりでもなさそうだし、豊富な餌に集って食事中なわけでもなく、固まった亀みたいにじっとしている。

 

この写真を撮った日は真夏の7月だった。テントウムシは暑い時期も休眠する性質があり、これを夏眠というらしい。アカホシテントウが夏眠するのに気に入った場所が桜の葉裏だったんだろうね。他にも梅の葉やエノキでも同じ様子が観察されるらしい。ナナホシテントウは冬も休眠するけど、このテントウムシは冬も活発に活動するらしい。同じテントウムシでも種類や餌が違えば習性も様々なんだね。下記のブログにアカホシテントウの夏眠の観察や生態についてがわかりやすくまとめられてあった。おすすめ。

 

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アカホシテントウ Chilocorus rubidus

 

 

テントウムシ

テントウムシ