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みじんこブログ

生き物の話題を中心に幅広い記事を書いています。YouTubeに動画投稿もしています。

正倉院展へ行ってきた。そして外国人観光客の来館について気になった。

正倉院展を観に行ってきた。今年は最終日は天皇皇后両陛下傘寿記念でなんと入館が無料。私が行った夕方のちょっと前には入館待ち時間なし。館内はかなり混んでいたけど、最後まで観てまわるのには全く支障はなかった。目玉の展示物の前も快適。館内にセンサーが設置されていて、そのデータに基づいて入館者への制限を行っているため、正倉院展はタイミングを狙わないと入館するまで外で待たないといけなかったり、目玉の展示物を観るのにも館内で整列させられることもある。午前や正午は避けたほうが無難。できれば祝日も。

 

展示物は歴史に興味がそれほど深くはない自分でも楽しめるくらい素晴らしいものだと思う。正倉院展を観に県外からも多くの方が来られるので経済効果も馬鹿にならないと思う。実際に近鉄奈良界隈の飲食店の店長と話すとこの時期は来客がとても増えると言っていた。


正倉院展が閉幕…入場者数約27万人 : カルチャー : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

 

気になったことがある。時間帯によるものなのかもしれないけれど、館内には外国人観光客が少ないように感じた。自分が館内をぶらついていた時には白人の観光客は白瑠璃瓶の前にじっとしていた一人しか見かけなかった。周りの奈良公園は日本人より外国人が多いのでは?というくらいなのに。中国語や韓国語もあまり耳にしなかったのでアジア圏の人も少なかったんじゃないだろうか。

 

待ち時間や行列が凄いという話が伝わっていて敬遠されているのかな。時間がかかるとなれば奈良に泊まりをしないといけなくなるし、奈良がおまけ観光地となってる現状では当然なのかも。奈良で今の時期しか観ることが出来ない宝物の展示というのは魅力的だと思うのだけど。日本人だって有名美術館や博物館を海外での観光先として選ぶのは人気のはずだし。昨年は正倉院展ではこんなアンケートを実施していたみたい。回収率がとても低いけどw このアンケートを信頼するなら近畿が半数を占めて海外からは2%。

http://www.narahaku.go.jp/news/enquete/2013shosoin.pdf

 

それと検索をかけてみると野村総研がこんな報告書を出していた。P.90より。海外の他の施設と比べても外国人来館者の比率は低いようで日本の特性でもあるのかな。正倉院展に関しては常設展でないというのもあるだろうし。

 

現在、国立美術・博物館の比率は正確には把握されていないが、15%前後である と考えられている26。海外の主要な美術・博物館では、外国人の比率が高く、全入場者の うち、テートやナショナル・ギャラリー(英)では約 5 割、大英博物館では約 6 割、ルー ブル美術館では約 7 割の入場者が外国人である27

入場者数の拡大のためには、外国人の集客にも注力する必要がある。

調査研究会での意見

  • ・  外国人の来館者数の状況も気になる。中国人、韓国人等を日本に呼び込むキャン ペーンは多いが、国立文化施設では呼び込めているのか。従来から欧米人は来日す ると、日本の文化に触れるにはどの美術館に行けばよいかと聞く人が多い。中国人 は日本にこそ東アジアの一番いいところと伝統が集結していると考える人も多い。 その人達をターゲットにするという戦術もある。

  • ・  日本の人口が減ってくると、どのみち来館者数は減ってくる。むしろ「外国人が行 く場所」にすべきである。

    現在東博では、在外旅行業者に広告用画像データを提供するといった努力を行っている が、海外に向けさらに強力に情報発信する為には、自力で新たにブランド価値を築くより も、海外の媒体等で既に評価されているポイントを活用するほうが効率的であると思われ る。

    例えば、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」や「Guide Bleu Japon」の影響力 は大きく、星を取得している国立美術・博物館やその作品群の評価を活かした広報が効果 的であると思われる。 

 

国立文化施設におけるパブリックリレーションズ 機能向上に関する調査研究 報告書 

http://www.bunka.go.jp/bunka_gyousei/torikumi/pdf/h24_bunka_shisetsu_houkoku.pdf

 

自分が白瑠璃瓶の前でじっとしてる外国人を見たのも偶然ではないと思う。アジア的な文化の宝物の中に西洋的なガラスの瓶が飾ってあるわけで、こんな時代にも極東のアジアと交流があったの?って感じだったのではと、その姿を見て想像した。今と違い人や物の行き来が難しい時代にも互いの交流の痕跡が残っているということを体感できるのはやはり面白いと思うからね。 

 

展示に関する感想としては、目玉の出展となる鳥毛立女は教科書で見たものが目の前にあるという雑だけど単純な嬉しさがあった。ファイナルファンタジーに出てきそうな中二心をくすぐる形状とその使い方が謎という手鉾、現代でもおしゃれな箱として通用しそうなデザインに古さがない檳榔木画箱、靴としてのサイズがでかくて聖武天皇の身長が気になった衲御礼履、これらが主に印象に残った。

 

手鉾に関しては居合で有名な町井勲さんも注目していたようでブログ記事を読むと興味深かった。実用は考えずにかっこいい形を求めたのではなくて実は計算があったのかもという話。

実際に様したところ、僕や試斬上手な門弟は、刀のように柄を持つ間を詰めて使用すると、良く切れましたが、柄の間隔を空けて持った場合には、かなり斬り辛く、斬り損じが多発しました。

一方、試斬経験がない初心者や、普段は腰を捻る癖があって、上手に斬ることができない門弟は、ピュッっと軽快な音を立てながら見事に斬っていくではありませんか。それもほぼ斬り損じがありませんでした。

単なる祭祀用のためのデザインかと思われた、手鉾の異形状ですが、古の人達の創意工夫により、計算されて生まれた武器だったのかもしれません。

 

 

正倉院蔵手鉾について(将平再現手鉾販売のお知らせ)|平成の侍 町井勲オフィシャルブログ『居愛道』Powered by Ameba

 

 来年はどんな展示になるのか今から楽しみ。

 

正倉院美術館 ザ・ベストコレクション

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