みじんこブログ

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あの本について

あの本を少し読んだ。

 

全部読んだわけでなくてご遺族への謝罪の部分、自分が出版に至った経緯、そして彼が書きたかった本題の部分。これだけ。本題は少し読んだ途中でもやもやした気分になり途中で辞めた。ネットに断片的に画像でたくさん上がっているので、同じものを見た人も多いと思う。

 

あの事件が当時大きく話題になったのは単に人を殺したというだけでなく、注目をあつめるために人の目につく校門に切断した頭部を置き、更にそれだけでは足りずに世間と警察を挑発する声明文を出し、そして犯人が少年であったということによる。

 

彼は殺人そのものに快楽を感じていたのはもちろんだけど、その行為を大きく世間にアピールすることによって得られた反応を楽しんでいたんだろうね。自分が特別な犯罪者で異常な存在であると世間に認められたいという欲求が重要な動機になっていたのは間違いない。

 

今回の出版で自分の殺人体験を自らのための金に変える行為が問題になっていて、確かにそれも問題ではあるのだけど、もう一つの問題は彼が何も変わっていないのではということではないかと思った。あの本の本題の部分を読んだ人ならわかると思うけれど、かなり気分がのっていないと書けない文章に思う。編集の手が入っているのかもしれないけれど、行為を淡々と描くのではなく小説風に修飾を多く使ってねっとりとした感じで書いていた。自分の嫌な過去ならそんな風には書けないよな。

 

あれじゃ事件当時に自分の犯行を知ってもらいたくて注目を浴びたくて声明文を書いていた頃と何も変わっていないんでないの。大人になった今も匿名のままで、しかも本は売れてるし、批判含めて反響が極めて大きいもんだから、彼の中で過去のあの体験の意義がまた大きくなっちゃうんじゃないのかな。まさに彼のいうところの自己救済。

 

なんか本当に頭の中がもやもやするなあ。