タバコをやめて約10年経ったが、今でも夢の中でタバコを吸っている
ドキドキしながら吸い込む力を徐々に上げて煙を肺の中に迎え入れ、目の前の空間にボワッと吐いてみる。途端に頭がクラクラし始め、気分が悪くなってきた。思っていたのと違うじゃあないか。これがタバコなのか。こんなものをなんで美味そうにみんなは吸ってるんだろう？みんなが美味そうに吸ってるから、なんとなく吸ってみたのに。
初めてタバコを吸った時は確かこんな感じだった。初めて吸った日は「なんだこれ！？」だった。でも、それ以降は毎日かかさず猿のように毎日一箱以上吸った。気持ち悪さや違和感がいつ消えたのかは覚えていない。吸い始めたのは未成年の時で当然すぐ家族にはバレた。しかし家族も同様の喫煙者だったためなのか、咎められることもなかった。
朝起きて目を覚ましたい時、電車を待つ時、講義が終わった時、講義に行かずにサークルのボックスで時間を潰す時、バイトの休憩の時、街をブラブラする時になんとなく吸う時、そして定番の食後。とにかく何かの区切りやちょっとした空き時間に吸うことが習慣化していた。きっかけから消費の本数、吸うタイミング。よくいるタイプの標準的な喫煙者だと思う。
そんな私がタバコを止めたのが約10年前。税率が変わる時に止めたから覚えている。2006年の7月に値上げされたので10年にはまだ満たないがもう少しだ。この年の主な流行出来事を挙げてみると、ホリエモン逮捕、ケツ毛バーガー、脳を鍛えるDSトレーニング、イナバウアー、ハンカチ王子。こんなところだろうか。並べてみるとちょっと前の出来事のような気もして、10年は経つのが早いと感じる。
止めるきっかけが税率変更のタイミングというのもよくいる標準的な喫煙者のパターンだと思う。止める必要性もそれほど感じていなかったし別に失敗しても良いかと軽い気持ちで始めたのを覚えてる。止めた時に周りから何度も聞かれ同じ答えを繰り返していたからだ。
タバコに火を付けるのを止めて最初の数日は精神的なものではなくて本当に体が飢えたようにタバコを求めてくる。これがかなりつらい。それを過ぎると飢えたような感覚はなくなるのだけど、なぜか定期的に吸いたくなる。あっさりと止めることができたのだし、たまにはちょっと吸ってしまおうかと誘惑が頭によぎるのだ。
禁煙した喫煙者が成功したはずなのに気がついたらまたスパスパやっている。このパターンは非常に多いらしく、私の周りでも実際そうだった。本人は完全にタバコを断ったつもりでも、ふとした誘惑に簡単に負ける。覚せい剤と違ってどこでも簡単に買えるし、喫煙者なんてそこら中にいるからね。飲み会なんて特に危険。知らないうちに吸ってて気がついたら喫煙者に戻ってるなんてこともあるらしい。これがタバコの依存の恐ろしいところ。
私の場合はタバコを絶ってから本当に一本も吸ってない。ただし現実世界の中での話。実は定期的に夢の中でタバコを吸っている。何度も同じ夢を見てるから覚えてる。怖いことに夢の中で禁煙を破りタバコを吸っても、次にタバコを吸う夢を見るまではその間は禁煙してることになっているらしくて、たまにはいいかとスパスパやっている。目が覚めるとまたあの夢を見たのかとなるのだけど、その度に怖くなる。タバコ止めてからピタリと吸わなくなったはずの自分が夢の中では未だに断てていないことに。それだけ私の中にはタバコが染み付いているのだろう。一生続くかもね。
ちなみにタバコ同様に何度も見る夢がある。学校の試験や授業に寝坊する夢で、その夢の中は焦ってる感覚が充満してる。学校の試験を受けなくなってもう何年経ったんだ！？学生時代はギリギリに起きて急いで電車に乗って急いで学校まで走ってを繰り返していたからなあ。こっちも本当におそろしい。こっちも一生続くのだろうか。
というわけで、禁煙を考えている喫煙者の方にはタバコの依存の深さを知ってもらえたらと思う。吸ったら最期で染み付いたものとは共存していくしかない。現実世界での誘惑はタバコを止め続けるという意思さえあれば簡単にやっつけられる。だから必要以上に怖がる必要はない。染み付いたものを受け入れて共存し、毎日止め続ける。これが禁煙のコツ！
あと、この記事を読んだ学生さんがいたら、寝坊の夢に後々悩まされないよう余裕をもった生活をしてくださいね。それでは！
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