ある菌とバッタの不思議な死に様について
今年は雑草のてっぺん付近や高さのある構造物にしがみついたまま干からびて絶命しているバッタをよく見かける。これは彼らがこの死に様を気に入っているわけではないらしく、エントモファガ・グリリ(Entomophaga grylli)という何ともかっこいい名前の昆虫病原糸状菌が原因なのだそうだ。
その菌に感染するとバッタは高いところへ移動し、そこにしがみついて絶命するようになる。その高い位置から菌を撒き散らして他のバッタへ感染させるという。自身の戦略のため菌がバッタを操るのだろうか。なんともよくできた仕組みであるとともに不思議な話でもある。
カマキリの寄生虫であるハリガネムシ(こいつらは実は水の中で繁殖する)も宿主を水の近くへ誘導するという話があるし、カタツムリの触覚に寄生することで有名な例のアレも次の寄生先である鳥に目立つようにあの状態になるらしい。誰が考えたのか、誰も考えていないのか。それはわからないけど、とにかくこの世界はよくできてるなあ。
参考:寄生者(ハリガネムシ類)が改変する森林-河川生態系
http://www.kyoto-u.ac.jp/static/ja/news_data/h/h1/news6/2012/120525_1.htm
参考;有名な例のアレことLeucochloridiumの動画
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