逆柱いみり 「馬馬虎虎(MaMaFuFu)」
大学時代に読んだ思い出に残る漫画。ガロに連載されていたものを本にしたもの。何度も読み返した。
色々と心に未だに残る懐かしい事情があって今は手元にないけれど、今でもたまに読みたくなる。
内容は全く無いといって良く、熱い夏にうなされながら観る夢の様な情景が無意味に最後まで連続していく。つげ義春の「ねじ式」が和風なら、こっちは無国籍で雑多で濃厚でアジア的な雰囲気かな。「馬馬虎虎」や「象魚」で画像検索してもらえれば、どんな雰囲気か理解してもらえるかと。
無意味で物語がなくともメッセージがなくとも、むしろそういう余計なものが無いからか自然と引き込まれ没入できる世界観が秀逸だった。
実はこの作品、今は販売されておらず普通には手に入らない。まんだらけのようなショップにたまに入荷したり、オークションには出ているようだ。Amazonではプレミアがついていて価格は1万円を超えているみたい。今の時代なんでも手に入るように思うけど、たった15年前の本が手に入らない。1万円で買い戻すのはさすがに勇気がいる。
Amazonのレビューを読むと青林工藝舎に問い合わせると作者の逆柱いみりさんが拒んでいて再版はできないと回答をもらったらしい。そういう事情なら仕方がないのかな。出したら売れると思うけどねえ。そういう問題じゃないんだろね。 一応Kindle化希望ボタンは押して置いたけれど。