木からぶら下がる糸の先には白黒の謎の小さな繭
昨日はホウネンエビについて書いたので、ホウネン繋がりでこの繭の話を。
何かを探すためだったり何も目的もなく樹々を眺めていると、小さな何かの幼虫が口から吐いた糸で風に揺れながら、ぶらとぶら下がっている光景をよく見かける。幼虫が何かから逃げるためであったり移動するためらしいその光景は私も何度も見慣れすぎて気にはならない。
でも、ぶら下がっている糸の先に謎の繭がついていたとしたら?その繭が奇妙な柄の白黒でほどよい謎な感じを醸しだしていたら?
こんなに奇妙なものを見かけてしまうと、どうしようもなく気になってしまうし、揺れて揺れて撮影しにくいのに何度も頑張って写真も撮ってしまった。見つけた時はめっちゃ嬉しかった。
関係ない話が長くなった。なんでホウネン繋がりなのかというと、この繭の主も稲作に関係があるホウネンタワラチビアメバチというありがたい名前を持つからだ。ホウネンタワラチビアメバチは稲の害虫とされるフタオビコヤガという蛾の幼虫に寄生する行動をとるので、その害虫の幼虫が寄生され、この俵のような形の繭が出現すると稲が健康に育つだろうという連想が名前の由来のようだ。
糸の根本には蟻がいた。パサパサの何かの皮もあった。もしかしてこれが寄生元の蛾の幼虫の変わり果てた姿かな。
このぶら下がり式の繭って何かメリットがあるのだろうか?白と黒の昆虫は鳥の糞に擬態し真似ていることが多いけれど、糸を引いてぶら下がってる鳥の糞なんて今まで見たことないからなあ。この柄でこのぶら下がり状態を維持すれば襲われることが少ないのだろうか。似たようなサイズの白い繭を人工的に釣ってみて違いを観察すればわかる気のだろうか。なんとも不思議な繭である。