みじんこブログ

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Session−22「『美味しんぼ』の鼻血描写騒動が投げかけるもの」を聴いて

荻上チキの番組のSession−22の美味しんぼ回はいい配信だったなあと感じたのでまとめと感想書いてみた。

 

Session−22「『美味しんぼ』の鼻血描写騒動が投げかけるもの」

http://www.tbsradio.jp/ss954/2014/05/20140513-1.html

※音源は今日でおそらく公式配信終了。もし配信終了後に聴きたい方がいたら、タイトルでYouTubeで検索してもらえば出てくるかと。私のアカウントであげてもいいのだけど著作権的に問題がありそうなのでやめときますw

 

崎山記者は原発の取材を続けている方だし、この番組自体もDig時代から反原発よりだと認識しているけど、とても冷静に美味しんぼ問題を扱っていたと感じた。

 

崎山記者も山岡たちの被曝量などのデータを示さないことや、福島には住めないと地域を大雑把な括りで描写することについて疑問を持っているようだった。描写がたんなる対立や偏見を煽るだけにしかなっていないと感じたのかな。記者は裏を取ったりデータも綿密に調べて他者に情報を伝えるお仕事なわけだし、杜撰な描写で真実をうたうのには疑問を感じずにはいられないのだろう。

 

福島で医療に従事されている坪倉医師も声のトーンから少し呆れ気味なのが伝わってきた。どの程度の被曝で鼻血がでるのかの説明や、福島での現場のお仕事での実体験から今回の描写が馬鹿らしいかと説明されていたので、ぜひ聴いてみて欲しい。他の地域から今更になって美味しんぼみたいな声が出てくるのは呆れるし悔しいのだろうね。

 

武田さんの表現することによる責任もあるという話や、量の話をしない限りは福島に関するものは全部ダメになるじゃないかという話には本当に同意。自説を言うために福島の人を犠牲にしたとも武田さんが発言しているがこれも本質をついていた。

 

呉さんの作者の意図がどういうものであれジャーナリスティックな作品に描かれることでその意図が逆転してしまうことがあるという話もその通りで、雁屋哲が原発を問題として描いたにしろ、結果としては受け止められ方として福島に近づくなとなってしまうという指摘。雁屋哲の過去作品から続く思い込みが暴走する特性がジャーナリスティックな作品で裏目に出たという話にはパーソナリティの空気に笑いもでたし、大事な指摘だったと思う。

 

東北出身の南部さんがバセドウ病になった時に周囲から被曝扱いされた経験も参考になった。正しい情報にアクセス出来ない人は、不安になると自分のわかってるものと繋げてしまい科学的に関連がなくても結論づけてしまうって話も良かったな。

 

いまいちだなあと感じることもあるけど、今回はチキの司会進行が冴えた回だと思う。水俣公害の話も振ってみたり、作品自体の問題だけでなく、福島の現状やこれからについても話を広げていい形でまとめていた。

 

今回はこんな感じだった。美味しんぼはまだ最終回も残ってるし、問題となった井戸川町長鼻血の話の前には福島の食品はきちんと検査されていて安全と紹介しているみたいなので、どんな展開になるのか気になるね。

脱原発は被曝被害を誇張しなくても進めることは可能だろうし、先走ったオカルト的な反被曝は逆に脱原発のためにもよくないよね。自分のイデオロギーの主張のために本来は被害者であるはずの福島の人たちを材料として利用してしまう。これだけは絶対に良くないし、たかが漫画ではあるけど美味しんぼに怒ってる人が多いのはそういうことに無意識に嫌悪するからだろうなあ。

 

 

雁屋哲公式ページより

「美味しんぼ」の「福島の真実篇」について

書いてあることは非常にかっこいい…。原作者は意見表明しない、福島にはいろんな主張の方がいるので、その方々に取材した真実のみを伝える読者に伝え、判断は読者に任せるという感じ。

今年も須藤農産の米は安全

>福島県産と言うだけで、危険と決めつけず、きちんと安全性が確かめられた産物は購入しましょう。

>多くの方が購入して下さることで、会津の農業を支えることが出来ます。>私はは須藤農産の宣伝係ではありません。

>真実を伝えているだけです。

 

ここからどうしてあの漫画になったのだろうね。取材の過程で本人の鼻血が出たことでなにか暴走のスイッチが入ったのだろうか。 

 

いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(1) (モーニングKC)

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